Lee ストームライダーの徹底ガイド 歴史とモデル判別から着こなしまで

ヴィンテージファッションの世界で、リーバイスの3rdモデルと並んで高い人気を誇るのが、Lee(リー)のストームライダーです。カウボーイのための防寒着として誕生したこのジャケットは、マリリン・モンローやエリック・クラプトンといった著名人に愛され、今なおアメカジの象徴として君臨しています。

本記事では、ストームライダーの魅力を解剖し、古着屋で選ぶ際のポイントを詳しく解説します。


1. ストームライダーとは何か? その誕生と歴史

ストームライダーは、Leeの代表的なデニムジャケット「101-J」にブランケットの裏地(ライニング)を付けた防寒用モデルです。

誕生の背景

1930年代、カウボーイたちが冬の厳しい寒さの中で作業するために開発されました。初期のモデルは「101LJ」(LはLining、JはJacketの略)という名称でしたが、1950年代から「STORM RIDER」という正式な愛称が付けられ、タグにもその名が刻まれるようになりました。

アイコンとしての地位

映画「荒馬と女」でマリリン・モンローが着用したことで、ワークウェアの枠を超え、ファッションアイテムとしての地位を確立しました。デニムのインディゴブルーと、襟のコーデュロイ、そして裏地のボーダー柄ブランケットのコントラストは、完成されたデザインとして現在も高く評価されています。


2. 年代を見分けるタグとディテールの変遷

ストームライダーは、年代によってタグのデザインやディテールが異なります。古着屋で価格の妥当性を判断するための重要なチェックポイントです。

1950年代:刺繍タグ(最初期)

赤、黄、青などの多色使いで「STORM RIDER」と刺繍されたタグが付くモデルです。この時代のものは非常に希少で、ヴィンテージ市場では高値で取引されます。ブランケットの質感が厚く、荒々しい色落ちが特徴です。

1960年代:プリントタグ

刺繍からプリントタグへと移行します。有名な「逆三角形」のロゴデザインが登場し、馬に乗ったカウボーイのイラストが描かれるようになります。また、この時期からボタンの刻印やピスネームに「R」や「MR」のマークが入るかどうかが、細かな年代判別の基準となります。

1970年代から1980年代:縦縞ブランケットと横縞ブランケット

1970年代中期を境に、裏地のブランケットの柄が「縦縞」から「横縞」へ変更されるなど、細かな仕様変更が行われました。80年代に入ると、よりファッション性を意識したスリムなシルエットのモデルも登場します。


3. ストームライダー特有のデザインの魅力

なぜストームライダーは、他のデニムジャケットと一線を画すのでしょうか。その理由は3つの特徴的なデザインにあります。

襟のコーデュロイ

デニムジャケットは通常、襟もデニム生地ですが、ストームライダーは首に当たる部分にコーデュロイを採用しています。これは防寒性を高めると同時に、見た目のアクセントにもなっています。使い込むことでコーデュロイが適度に潰れ、ヴィンテージ特有の風合いが生まれます。

ブランケットライニング

裏地に貼られたウール混のブランケットは、通称「トロイ・ブランケット」と呼ばれます。ネイティブアメリカンの伝統的な柄を彷彿とさせるボーダー模様は、脱いだ時や、前を開けて着た時の大きな見どころです。

左綾(ひだりあや)デニムの質感

リーバイスが「右綾」であるのに対し、Leeは「左綾」を採用しているモデルが多いです。左綾デニムは、縦に長く、鋭い「縦落ち」が出るのが特徴です。ストームライダーも、着込むほどに美しい縦の線を描く色落ちを楽しむことができます。


4. サイズ選びと着こなしのコツ

ストームライダーは、裏地に厚みがあるため、通常のデニムジャケットとはサイズ感が異なります。

サイズ選びの注意点

  1. ライニングの厚みを考慮する:裏地がある分、内径が狭くなります。Tシャツ一枚ならジャストサイズで良いですが、スウェットやセーターを中に着込む場合は、ワンサイズ上を選ぶのが現実的です。
  2. 着丈の短さを活かす:オリジナルのヴィンテージは、カウボーイが馬の鞍に座った時に邪魔にならないよう、着丈が短めに設計されています。そのため、現代の服と合わせる場合は、ハイウエストのパンツと合わせるか、インナーの丈とのレイヤードを楽しむのがおすすめです。

おすすめのスタイル

  • 王道のアメカジスタイル:チノパンや軍パンにワークブーツを合わせる、無骨なスタイル。
  • 大人のカジュアルスタイル:細身のブラックジーンズやスラックスに合わせ、襟のコーデュロイをアクセントにした、少し綺麗めな着こなし。

5. メンテナンスと保管方法

ヴィンテージのストームライダーを長く愛用するためには、特有の注意点があります。

洗濯時の注意

裏地のブランケットはウールを含んでいるため、家庭用の洗濯機で激しく洗うと、デニム部分とブランケット部分の縮率の違いにより、形が大きく崩れたり、裏地がボコボコに浮き上がったりすることがあります。

汚れが気になる場合は、おしゃれ着用の洗剤で手洗いするか、信頼できるクリーニング店に相談することをお勧めします。

保管方法

肩に厚みのあるハンガーを使用し、型崩れを防いでください。特に、ブランケットの重みで肩の部分が伸びやすいため、細いワイヤーハンガーの使用は避けるべきです。


6. まとめ:一生モノのヴィンテージを探す楽しみ

Lee ストームライダーは、単なる防寒着ではなく、アメリカの歴史とクラフトマンシップが凝縮された逸品です。

1960年代の風格ある一着をディグる(探す)のも良し、1980年代の比較的状態の良いものを日常使いするのも良し。年代ごとに異なる表情を持つこのジャケットは、着れば着るほど自分の体に馴染み、世界に一着だけの表情に育っていきます。

古着屋のラックの中に、あのカウボーイが描かれたタグを見つけたら、ぜひ一度袖を通してみてください。その重量感と温もりの中に、ヴィンテージ古着の本当の面白さが詰まっています。

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